有刺鉄線でつかまえて

有刺鉄線でつかまえて

映画の感想めも

幸福の科学の映画「心霊喫茶「エクストラ」の秘密-The Real Exorcist-」を観た話

youtu.be


観てきました。

※あくまでも「この映画を観てしゃくたんが感じたこと」なので、宗教団体「幸福の科学」に関してのことについての歴史だの考察だのそのあたりはなんも書かれてないです。なんも調べてないですし、書く気はないです。マジで。宗教団体については勝手に調べてくれや。また「幸福の科学」に関しては否定もしないし肯定もしません。しゃくたんは受け入れはしないけど理解はします。そんな感じ。100年以下の新興宗教やし、しゃくたん邪神やし。この映画を見て感じた宗教観も書いてますけどあくまでも邪神の意見です。邪神に戻りてえマジで。

 

ネタバレ感想全開です。

 

 

 


自粛生活なにしてましたか?
記憶にある分ではしゃくたんはクソ映画観てクソ映画お嬢様になったり、Switchのフィットボクシングを1週間で投げ出したり、Amazonオプティマプライムビデオが「ほんとにあった!呪いのビデオ」みたいなのばっかりオススメするんで裏切ってNetflix入ったり、攻殻機動隊ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日観たり、蚊と戦って手首ひねったり、ペットショップで犬5匹が同時に自分の出したうんこを食う瞬間見てファイティングポーズとったり、スマホゲーム「ツイステッド・ワンダーランド」はじめてました。

 

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「自分大嫌い人生どん詰りヒステリー男」が好きなので、顔見てどうせそうやろ思ったら案の定そうだったのでタコガキが好きです。


映画館再開でサーホー観て2本目がこれです、3本目はデッド・ドント・ダイです。
味付けが濃いんだなァ。

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自分を鼓舞するために「縋りつきたいもの」2つを持参しました。


1:なぜ観ようと思ったか

2:映画の感想

3:宗教について

 

てな感じでダラダラ行きます。
まとめると

1:映画当たり屋だから
2:ここ5年の邦画の中ではトップ10に入るくらいに面白い。正直好き
3:宗教勧誘する人はマジで良かれと思ってやってる

以上です。

 

1:なぜ観ようと思ったか
そりゃ「映画当たり屋」だもの。
第一さ、生きててよ?普通に生きてて「宗教団体が己の教義全開で作った信者向け映画」を観に行こうって思う時って絶対ケチ付けに行くためでしょ?怖いもの見たさみたいなさ、それ以外にもなんか映画を文句言うために観る行為ってどうなの?って気持ちはあるわけ。こっちもね。あるわけ。でもTBSラジオライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の映画評論コーナー「MOVIE WATCHMEN(当時はシネマハスラー)」で出された「映画当たり屋」という概念はしゃくたんにとっては免罪符なんだわ。当たり屋だもの。


とにかく「観ないでぐーたら言うのは嫌だった」ってだけなので、今回。マジで。性癖の話。


でも怖いじゃない?新興宗教って?勧誘とかされたら怖いじゃない?もしかして勧誘されたらどうしようか……Twitter芸人あるあるの「こんな面白い撃退しちゃいましたw」みたいなことしようとしたら返り討ちに遭ってしまうじゃん……怖いよ……映画の宗教団体知識しかないからマジ怖いよあいつら怖いよ……だってこれよ?
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で今回がこれ
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まだ取っ付き易いなって思ったってもあるけどね、本音。

正直に言いまして宗教団体「幸福の科学」に関しましては教祖様の憑依芸(爆笑)を散々ネタにしたタイプなんですけど
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めっちゃしてて草。


でも信仰してはる方に対しては「あなたがいいならいいと思うよ」です。別のワールドでハッピーに生きような。


ていうかしゃくたんが邪神なわけよ。お前らも周知だと思うんだけど、邪神で、邪神の免許もねちゃんともってて2級の。1級はねほんと難しい。1級で天地創造師の資格試験受けるための黙示録検定受験許可でるんだけどそれぐらい難しい。だから2級ね。2級でも邪神できるからね。一応「今世を生きよ。来世を捨て、前世を超え、今世を生きよ」って言うてたわけね「己と世界を同一視し超越し己が世界と化すのだ」とかねほんとね信者食べ損なって免停よこれーみんなちゃんと食べてるの?しゃくたんにもちょっとさぁ情っていうかさぁまぁその信者死んだんだけどさぁまぁねぇ3つの教団で邪神してたんだけど引き継ぎ2つまでてひとつダメにしてるんで冥府で焼くど底辺仕事とかしないといけなくてほんと散々よ。お前らの中に邪神おったら生贄の信者は食うとけな、ほんまな。


宗教団体の映画ってなんか教義全開でその信者じゃなきゃ面白くないし意味わかんないってイメージなんだけど、よく考えたらそれキリスト教圏の映画みんなそうじゃんね。しゃくたんはキリスト教わからないし、ヒンドゥー教も仏教もわかんないし、それでもモチーフにした映画観てるわけじゃん。映画の最初に聖書の一文とかでて聖書になぞらえたシナリオならみんなそうなるわけじゃん映画「セブン」もでけえ枠で言えば「宗教団体の映画」ですよ。でも宗教団体が自ら作ってる映画じゃないからね、だからすんなりと受け入れてるわけだよね。
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1995年デヴィッド・フィンチャー監督。こんな名作引き合いに出してごめん。


そう考えると自ら殴りこみ……地元のやべえ先輩ムーブ爆裂のキリスト自らが監督するキリスト教映画みてーな状態なわけで、絶対面白いじゃんそんなの、あの映画「哭声/コクソン」の最初に出てきた「復活すっからつったものの誰も信じてなかった結果復活したら案の定マジビビられたので触れてみ?と必死こくキリスト先輩」のエピソード実写化して欲しいでしょ。だいすきエピソード。妄信的だと思ったからほんま……。
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2016年ナ・ホンジン監督。正直人生トップ5に入る大好き映画。マジで観てる人が導き出した答えすべてが正解ですべてが間違いみたいな「宗教」映画です。

 

2:映画の感想
予告編
待って?予告編も幸福の科学の映画の予告編入るの?ってワクワクしたけど最初だけでムーランの予告はじまってこれ……まさかムーランも……エル・カンターレッ!峠最後の侍、実写版弱虫ペダルの予告編が続きましたこれ……最初だけやんけ全部幸福の科学の映画でこいよまさか……この二本も……?

 

提供
みんな大好き映画始まる前の配給制作会社等のクレジットにきちんと「幸福の科学」のやつがあるので、あ、あるんだってちょっと学び得たね。
そしてなんか見たことない映画祭の賞を総なめみたいな映像挟まって、でもこれしゃくたんも「クソデカ感情オブザイヤー」とか「この胸筋がすごい2020」とかほざくし、まぁそんなもんかなこれ、なんだろうね。

 

本編
タイトルがしょぼいとか、フォントがワードに入ってるやつとかそんなんはまだ許容範囲よ。

 

「殺してやる……」「なんであの子ばっかり……」等の人々の心の闇の声が聞こえてしまい怯えながら歩く今作のヒロイン「サユリ」、あまりの声の多さに辟易した彼女はとある喫茶店、今作の舞台である喫茶「エクストラ」の前でぶっ倒れてしまいそこの店主夫婦に助けられ、それが縁でこの喫茶店でバイトしつつ「霊能力」で悩み相談をしていた。まだ許容範囲。

 

店主夫婦の娘(小1くらい?)が読んでる本が週刊誌の挿絵みたいなイラストの「大霊界図鑑」とか、本棚に幸福の科学の本しかねえとか、マガジンラックに幸福の科学関係のやつしか挟まってねえとかもうこの辺でおや?ってなるけどまだいける。まだここはいける。嘘ごめん。マジちょっとこの本棚のインパクトすごい。余談なんですけどこの映画に出てくる明らかにやべえ書籍たち、みんな実在してて本屋さんにありました。マジで存在してました。ケツに出てくる「悪魔の嫌うこと」みたいなすげえ雑な美術さんだなって仕上がりの小道具だと思ったのもありました。実在書籍です。なんなんだマジで。

 

娘「ねえあのお客さん自殺霊がついてるよ」
サユリ「しー」
まだOK!ラノベでよくある!まだOK!ド失礼なガキだけどまぁガキはそんなもん映画のガキはそんなもん。

 

サユリに相談者が来る。小学生のガキだ。
ガキ「チャリ乗ってたらほっぺに傷が付いたの。刃物を持った透明人間が暴れてるのかなっと思うと怖くて」
サユリ「わかったわ。タイムバックリーディングするね。あっ!スカイフィッシュとぶつかったのよ!珍しい!」

 

開始3分。しゃくたんは「宗教団体が作る宗教映画」を見た。
みんなわかるよね?のテンションでぶちかまされる謎の言葉、みんなご存知!の感覚で出される謎の生き物。
やっべえ世界にきちまったねほんとね。マジで。

 

今回当たろうと思ったのもポスターとタイトルで「霊感少女もの」だなと思ったからいったんで「霊感少女とバディもの」は誰がやってもなにがあっても面白いじゃないですか。この映画も話が「冴えない僕」が偶然出会った「霊感少女」と「困った人」を「超能力」で「助ける」だけなので、マジで、こんなんこの世の中に溢れかえってるし絶対ウケるんですよね、ただそれに「幸福の科学の教義」が全開なので、ほんとに、フルスロットル教えぶっこんでくるので、それだけです。ほんと。なんだろうな。餃子で言うと普通の餃子なんだけど具が明らかにチョコ入ってるよねこれみたいな。なんかもう……なんだこれ……ここまでドストレートに教義ってか技がぶちこまれると思わなくてちょっとびっくりしたかな……解説とかないですマジで。観てる人が信者だからもしかして笑うところだったのかな?神様キャラが「OhMyGod!」って言うみたいな……。

 

矢継ぎにぶちかまされる「幸福の科学」みなんですけど、これが「霊感少女もの」にベストマッチしてるんですよ。
ていうか、こういうしっかりとしたかつ大多数がそれに同意してるような宗教観がなきゃ「お祓いもの」出来ないんじゃないかな?って思うくらいには効力を発揮してるんですよ。

 

例え話なんですけど
「いじめっ子不良霊能者」が改心して教師になって「いじめに耐え切れなくて自殺したいじめられっ子幽霊」が「いじめっ子」に復讐しようとしててそれをお祓いする展開って、滅茶苦茶難しくないですか?

 

「お前が言うな」って展開になるし、喧嘩両成敗も「どうせこのあと報復されるだろ」とか、現実の非常さを前に出されて「もうちょっと勉強してから話書けば」とか言われちゃうじゃない。絶対引っかかるし突っ込まるわけじゃん作者・監督・プロデューサー・脚本家の「倫理観」「生死観」がさ。なんていうか押し付けがましさっての?「こりぇがぼきゅのかんがえるただちいせいぎでちゅ!」みたいな勉強不足な青臭さに冷笑する暇がないわけ。

 

この映画は「幸福の科学」が作ってるので「幸福の科学」こそが最高に正しいわけなんですよ。「幸福の科学」が。だからもう引っかからないんですよね。これが。「こういう宗教だからなぁ」で冷静になれるというか「これが!大衆の意見だ!」みたいな「お前の中でもそうなんだろうなお前の中では」っていうイライラが起きないんですよ。「そういう宗教団体だもんな」で終わるんですよ。発明じゃん。

 

Qいじめられっ子自殺霊「どうして復讐しちゃいけないの?」
A元いじめっ子不良の霊能者教師「復讐は何も生まないし、いじめっ子と同じことをしても意味がない、もっとより良い人間になって見返したほうがいい、人生はこれからなんだから今を悲観してないで未来を見なさい」

って言われてもなんか引っかかるし、もやもやするじゃん?

 

Qいじめられっ子自殺霊「どうして復讐しちゃいけないの?」
A「幸福の科学の教義に反してるからだよ」

って言われると納得しちゃわない?まぁそう……なんだろうな……って

 

Qなんでそんな霊能力使えるの?
A幸福の科学的教えのもと修行したから

 

Qなんでこんなことするの?
A幸福の科学的教えだから

 

Qどうしてこんなことしてるの?
A幸福の科学的教えだから

 

これで全部説明かつ観てる方も納得できる世界凄ないですか?
それだけのパワーがあるんですよ。ぶっ壊しですよこんなん。
もう「幸福の科学」という宗教団体が考える「正しき教え」のもと、作られているので、納得するしかないの、この世界はそうなんだろうなってもう流すしかなくなるからこっちは。
なんかそういう意味ではすんなりと話が飲み込めて変なノイズもないので面白かったです。

 

あとは

・除霊っての?する時に霊それぞれに専用BGMみたいなのがついてんの、マジで、信じて。
割と自己主張の激しい歌謡曲?ロック?っての?正直めっちゃ好きなのでサントラ欲しくなってきちゃったな……。
マジでこの挿入歌みたいなテンションのBGMが後ろで鳴ってる中真剣にシリアスな演技をしてはるわけみんな、楽しくなっちゃうな。エンディングテーマまじですき。サントラ買うしかないのかなぁ。と思ったらね、配信もありました。これがマジでちょっと嬉しかったです。Amazon musicのUnlimitedの方ですかね?わからないんですけど配信されてました。
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テンションが上がりました。

youtu.beYouTubeで試聴もできるから浴びてね。


・演出が割と控えめで演技も控えめなので作品全体のトーンが統一されているぶん邦画の中ではレベルが高い。幸福の科学の映画の作りなんだけど、あの「照れ」がないんですよね。しゃくたん邦画のめっちゃ嫌いなところって「話がシリアスすぎると息が詰まっちゃうから箸休め的にこういう小ネタが挟まると息抜きにいいよね」みたいな感覚で話の緊張感が解ける「やってる方は面白いと思ったんだろうな」っていうなくてもいいようなシーンね。これね。必要らしいのよ、これ50代60代の邦画世代はこれがないとマジで「息が詰まる」って言うんだよね。「面白かったけどもうちょっと笑えるシーンも欲しかった」とか言うの。マジで?正気?ってなってるけどこれがね、ほんとね、ないのこの映画。テーマに愚直、もうこのテーマを伝えるために映画を作ってるのがひしひしと感じるね、その中でもきちんと面白さは伝わってくるしトーンを保ったまま突っ走ってくれたことに対する信頼感が生まれたわけこのスタッフとのね、絶対面白いよこのスタッフの映画なにがあっても。
特に好きなのがラストバトル後のね、彼氏がサユリと出来てんじゃねえかと疑ってた彼女が「もう疑わないよ」「当たり前じゃん君が一番だよ」と仲直りした直後に、彼氏が倒れたサユリを抱きとめるの見てギロっと睨むんですよ。それを彼氏が焦った顔して首を振るってだけのシーン。変なセリフも音楽もなし、ただそれだけのシーンなんだけど普通に面白く感じるし二人とサユリの今後の関係もわかるし、いい演出だと思います。ていうかこんなんでいいんだよ。バラエティー番組の演出と区別がなくなってる邦画で、映画の演出してるなって思いました。

 

・タイトルが「心霊喫茶「エクストラ」の秘密」なのですが
 →喫茶店は別に心霊現象が起きたりしない、働いてるバイトのサユリと店主の娘が霊感少女なだけ
 →喫茶店に秘密はない、ただの喫茶店
てことで、割とタイトル詐欺じゃんって部分?オタク感じちゃうので……もう従業員全員心霊現象のエキスパート集団で特殊能力持ってる心霊現象ばりっばりみたいなの想像しちゃうじゃん……オタクだから……。
とはいえ、悪霊に苦しんで店の前で倒れちゃたサユリを救ったのが「幸福の科学関連の書籍がずらずら並ぶ喫茶店の店主夫婦に見せられた幸福の科学の本」ってのは、信者からすると救いかも知れないけど、しゃくたんの感覚で言うと「すっごい怖い」ので……多分これを超える恐怖ないっすよ。マジで。
あと映画好きの意見なんですけど「店主が映画「エクソシスト」が好きだから店名が「エクストラ」」ってのはどうかなと思います……普通の喫茶店なので……これがホラー映画好きの店主がって設定とかあればね?ホラー映画っぽいコンセプト喫茶とかならね?ありやけどね?なんていうか……。あとエクストラにするとエクソシストっていう単語と全く意味が違ってこない?普通に「エクストラコーヒー」的なサイドからの命名でよかったのでは?無理にださんでも。
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1973年ウィリアム・フリードキン監督のガチンコタイマン映画。Wikiくんにキューブリックがやりたがったけどスタジオくんに「自分撮るの遅いやろ」って拒否られてて草。有名な階段降りに「スパイダーウォーク」って名前がついてるのも草。

 

・有名なあの「エルカンターレ」は一回だけ出ました。必殺技として出ました。マジで言うんやってちょっと感動したしなによりも最強の必殺技じゃなかったんですよこれがまだ凄い必殺技があったんですよ、しゃくたんたちがキャッキャ言うてた「エルカンターレ」が体当たりみたいなもんですよ破壊光線出すんすよマジで。びっくりしたね。え?エルカンターレがその位置?みたいな震えちゃった。

 

・やっぱり「幸福の科学の教え変だよっていうキャラは被害者・悪人」ていう書き方するんだな、っていうなんか安心感?ありました。そりゃしゃくたんたちも宗教にドハマりキャラはそういう位置にしちゃうもんね。でもデート中お店の中で幸福の科学の本読んだりお店の中で悪魔祓いの動き真似したりするのはヤバイから、普通にヤバイから、デート中にラノベ読んでmaimaiのイメトレするくらいマジヤバイから、マジで、マジで、試聴コーナーで踊ってるカップルくらいヤバイからまじで。ヤバイからマジで。関係なくヤバイから。ちょっと描写が弱いかなって思いました。普通のやばい人じゃねえか彼氏。さっさと別れろォ……。

 

幸福の科学の学校?出てきましたね。実在してたのか……見れて良かったです。

・最後の方にクッソ演技の下手なクソみたいな男優出てきて「は?」ってなってなんか女優さんが「ここのコーヒーは美味しくって~」って言うてるのそのまま同じこと繰り返し出して男優の方が、NGやろ編集ミスか?なんだこいつと思ったらね、大川隆法さんでした。カメオ出演。めっちゃ綺麗な女優さんやおもたら娘さんなんですね。


・パンフレットがすごい
映画観たらパンフレット買う、パンフレットのために映画観るくらいのパンフレットフェチなので、買いました。でもパンフレット買う時対人じゃん。あまりに恥ずかしい。もう絶対ネタにするって。だってしゃくたんがするもん。ジョブってる時に同僚とする話なんて妙な客か妙な上司か妙な同僚の話しかねーだろがい。絶対するもん。絶対それがやだやだやだこったほんとう。とか思ってチケット出して「この映画のパンフレットお願いします」って言いました。弱い心ですね!悪魔につけいられちゃう!邪神だけど!
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割と薄い印象、もっとずらずら書いてるかなと思ったけど映画パンフですね普通の。
あらすじと役者のインタビューと作中に出てきた呪文紹介ページとかありましたし、普通ですね。
でもこのサユリ役千眼美子さんのインタビューがすげえの。

 

普通の生きてる邪神には電波ゆんゆん感バリッバリ。なんていうか「なにかがおかしい」んですよね全部。「不思議な力で人を救う役」なんてたくさんあるじゃないですか、それを依頼されることも役者ならあると思います。でもそれに対する姿勢がなんかもう「違うん」んですよね。なりきってるとかじゃなくて「天啓を得た」みたいになってんだよね。壮大。すごい壮大。悪魔との対決シーンの前日は悪夢や金縛りにうなされてたそうです。すげえな。ホラー映画観る目変わっちまうよ……ワクワクするインタビューないからねこれめっちゃ価値……普通のことも普通に見えなくなるというか、その一瞬に挟まれる「宗教的発想」の濃度がエグくて読んでて「う……」ってなるインタビュー早々ないよ。読んでて「う……」ってなるインタビューはいっぱいあるけどね、自画自賛型アップデート放棄型馴れ合い型とかでね、ほんとね、マジで。

 

ていうか「悪魔祓いの練習をした」ってなに?これちょっと待って?今焦ってエクソシスト要素のある映画「死霊館のシスター」と映画「NY心霊捜査官」のパンフレット読み返したけどぱっと出るのがこれだけだったからね、俳優がまぁスタッフもやけど調査はするけど悪魔祓いの練習はしてなかった。これ練習してるの?調査とか映像見るとかじゃなくてリアルに自分も悪魔祓いやってる?感じ?なの?役者ってすごいな……それとももうこれは千眼美子さんの凄さとスタッフの凄さだなほんとなこれな。練習用悪魔とかいんの?悪魔とは一体……。

 

一つパンフレットに文句つけるというか、これはしょうがないことだと思うんですけど。あの最高の挿入歌たち歌詞ページ欲しかったなぁ。

 

というわけで長々書いたけど本当に、なんていうかな、観れて良かったです。
あと割と「ゾンビ」と食い合わせいいんじゃないかな、千眼美子主演×大川咲也加脚本×小田正鏡監督で「ゾンビ」もの是非観たいのでご検討の程宜しくお願いします。
その時はまた観に行かせていただきたいと思います。

 


3:宗教の話
この世界ってふわふわして不形なわけで、だからこそ「人間」なんて生き物が存在することができるし、いろんな気持ちを言葉にすることができると思うわけ。それが正しい世界の在り方だと思ってる。それが普通で、まともだと思う。

歩く道はデコボコでヌメヌメでドロドロでどうしようもないけど、その道を一歩一歩歩きやすいようにしたりそのまま突き進んだり足を取られて転んだり休んだりするのが人生だと思うし「人間」という生き物だとしゃくたんは邪神なりに理解してるつもりなわけ。

でもしんどいよ!真っ直ぐ綺麗に舗装された安全な道を歩いて行きたいよね!生きたいよね!正しい道を歩みたいよね!

そういう時に手を貸してくれるもののひとつが「宗教」とかになるんじゃないかなと思います。

 

生まれた瞬間に備わってる性も嗜好も肌も自分で得たわけじゃないじゃんそれは、最初ランダムガチャでぼちゃんと来たわけじゃん。
それを生きていく中で手探りで「自分のもの」にしていくか全く別のものにしていくわけじゃん、それが「自我」なもので、「自立」なもんだと思う。
初期装備を自分の力で得たんだって思い込んじゃって自分の輪郭にするのは大変危険っていうか、それでもいいけどそれはお前がたまたまSSR引いただけやねんでってことで、ほかの人はちゃうねんでって「自覚」して、それをまた自分という輪郭形成に役立てて欲しいと思います。
そんな感じでみんな手探りで輪郭をこねこねこねこね作って騙し騙し動かして生きてるわけで、その輪郭と輪郭がぴったりとパズルみたいに噛み合ったり、合わせるように変形させたりで人間関係を作ってみたりしてる中で、余りにも強力な輪郭のテンプレート、素晴らしき輪郭、完璧な輪郭、輪郭スターターセット。ってのが「新興宗教」ってやつなのかなと思います。とにかく完璧な白黒はっきりした言葉。1か0か、白か黒か、綺麗か汚いか、はっきりしっかりばっちり。


映画観てて思ったんだけど、宗教的モチーフは例えば「たまごは火をよく通して食うこと」の教えに対して「正しい面」と「悪い面」が提示されて「じゃあ生卵は食べちゃダメなんですか!?生卵食べるな!食べるやつ悪人!と教えの意味を極端に解釈している奴」とか「まぁ火を通した方が腹痛おこさんしなぁでも生卵もええんとちゃうかな?あかんとは書いてないしそれぞれやしと意味を理解しているが受け入れてはいない奴」とか「知らんわ!卵かけご飯うま!」とかいろいろいるわけじゃん。それが「自由」ってもんだし「人間」の「意思」と「権利」の表れだと思う。

 

「たまごは火をよく通して食うこと!温度は必ず80!何故なら腹が痛くなるから!生卵はだめ!」
「はい、たまごは火をよく通して食うことなので火を通して食います」
「はい、たまごは火をよく通して食うことなので火を通して食います」

 

新興宗教はね、0か1、マジで。
なぜダメなのか、なぜなのか、なぜが教えてくれる。

 

そう考えると「おたくのお子さんの鬱はしゃくたん教のせいです!」とか「ガンにはチンカスチーズがきく!」とかはっきり言ってもらったり書いてあったりすると安心しちゃうし、縋っちゃうよね。おっかなびっくり曖昧な境界線を「それでもいいじゃない」と受け入れようとしてるなかでしんどくなるし疲れることも怒りたくなることもある、そこに白黒はっきりさせた言葉が流れ込んできたらそっちに飛び移るのは仕方がないよ。


邪神免許が免停になって冥府で人の魂を焼く仕事を嫌々やりはじめて、勝手にですね、新興宗教に嵌ってる人は可哀想だと思ってたんですよ。
千眼美子さんも「清水富美加」を捨てて入信しはって大丈夫?と思ってたんですよ。本当にすみませんでした。この映画を観て「新興宗教」のあり方と「新興宗教に対する偏見をどうして持っているか」に気がつきました。邪神として頑張れそうです。信者くんたち、しゃくたん生贄として62年に一回「生まれつき左足のない17歳の男」を要求するから頑張ってね。

 

自分はこんな人間だ、自分はどんな人間になりたいか、自分はなんだ。と自我の覚醒は人生の命題で一生わからないままウロウロするわけじゃない。なんだかボタンがかけちがってるけど、でも別に日常生活が送れないわけじゃないからと我慢して我慢して人間なにかしら我慢して生きてるわけじゃないですか。新興宗教は「ボタンのついてない服」をくれるんですよ。

 

めっちゃ安心するなって映画観てても思ったもんね。こんなはっきりと「ダメ!」と「いい!」とさらに「こうしなさい!」が提示されて登場人物も迷ったいしねーで全肯定で突っ切るからマジ正しいものに見えてくるし「こんな風に迷わないで生きていきたいな」って思っちゃう。

 

新興宗教、宗教言うてるけど、思想もそうだから、自分という「輪郭」をくれるものに縋っちゃうしそれがもし間違っていたとして捨てることなんて怖くてできないだろうし、間違ってるとも思わないんだろうな、自分の「輪郭」だもんなぁ。

新興宗教だの変なサークルだのサロンだのハマっちゃうの、当たり前だよねマジでね、ほんとね。
っていうか、こうやってしゃくたんのことも崇めてくれてたのかなってごめんなんか今更思ってもし邪神として復帰したらその時は生贄ももうちょっとちゃんといただくね。

 

 

以上です。
いい経験しました。

 

おわり