有刺鉄線でつかまえて

有刺鉄線でつかまえて

映画の感想めも

クソ映画お嬢様ですがアブダクティを観ましたの

電脳西成からごきげんよう
クソ映画お嬢様ですわ!

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アフタヌーン映画もそこそこに、わたくしのお兄様とは大違いの「ドリームお兄様」ザック・ミッチェルお兄様に恋をしていましたら配信界の魔境ことAmazonオプティマスプライムビデオ様ですわ!こんな作品をオススメしてくださったの!

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個性派俳優の温水洋一が主演、「地獄甲子園」「デッドボール」の山口雄大監督がメガホンとり、密室に閉じ込められた男がたどる顛末を描くシチュエーションサスペンス。家族にも見捨てられ、借金を抱えた中年のダメ男・千葉厚志は、目を覚ますとコンテナの中に閉じ込められていた。コンテナは船に積まれてどこかへ運ばれていき、やがて千葉と同じように拉致され、コンテナに閉じ込められている被害者が何百人もいることがわかる。千葉は隣り合うコンテナの壁越しに他の被害者と会話し、誰が何のために千葉たちを拉致したのか、情報を集めるが……。(映画.comより)


[リミット]やないかですわ

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調べますとマジで[リミット]を意識して作ってましたの。タイムがおなじ1時間35分でした。まさかそこでしたの!?

 

わたくしの[リミット]感想はこんな感じでしたわ

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オチまで書いてしまいますと

コンテナに閉じ込められていたのはみんな飛行機事故にあっていたことが判明、それは特殊な隕石(コンテナに置いてあった石)が落っこちてきたのが原因だった。
コンテナに集めたのは妙な宇宙人?人間ではないなにか。(見た目は作中会話に出てきました唯一の生存者ですわ)
飛行機事故にあった人間を集めてスーパーパワーを覚醒させようとしていたのでした。
隕石を取り込んだ新たな種の起源と化した温水洋一が赤く光り巨大化して地球が赤く染まり、そして同じような隕石が無数に地球に接近する……で終わりました。わたくし嘘を言いません。

 

 

温水洋一が苦しそうな顔してハァハァ言うて、たまに「台本にそう書いてあるから」としか言い様のない言動をする映画が観たいお嬢様にはオススメですわ。

 

 

まとめますと、「こういうシチュエーションがしたい」映画の失敗例ですわね。


「こういう小粋な会話したい」「こういうシチュエーションで戦いたい」「こういう関係の二人組好き」そういうことを全部詰め込んだ映画はたくさんございますし、成功している作品も多くあります。もっと言えば映画なんてそれの積み重ねなのです。観ている方も「こういうの好きだよね。やりたいよね。あるある。わかるよ」と共犯者になります。


ただし、これをするには明確な「前後」と「脈略」と「理由」が必要なのです。


「これがやりたい」からって前後脈略がないので「やりたいだけ」なのがわかって浮いてしまってるんですの。

 

「これが終わったらオレ結婚するんだ……シチュエーション」がしたい場合、今まで影も形もなかった故郷の恋人の話を突然されても困ります、故郷に恋人がいることを匂わせたりしていてその香りが充満した瞬間に繰り出すからこそ燃えるのです。そうでなければ余程登場キャラクターに魅力がなければ滑ります。スタッフの顔が映って恥ずかしくなります。

 

 

一事が万事それの繰り返しなのですこの映画、まず序盤

目が覚めると顔にビニール袋をかぶせられ手足を縛られコンテナに閉じ込められていた温水洋一
暴れる温水洋一……そこに電話が!温水洋一がした借金を取り立てに来た借金取りだ!

 

温水洋一「必ずお金を返しますから!」

 

ちゃうやろですわ……ッ!お前がここで言うのは……捕まってますだのなんだこれだのここどこだのやろ……ッ!ちょっとこのシチュエーション舐めてらっしゃいます?


擁護お嬢様射撃しますと「この時、温水洋一はまだこれが借金取りの仕業だと思っていたから」ですけど、それにしても最初はこれがいるでしょうがこのシチュエーションに対して妙な落ち着きがこの映画全てをぶち壊してますの。なんですの?銃を口に入れられて「これ除菌してるのかな?」と思う人ですの?名前が無いのかしら!早く死んで授かってくださいな!

 

割と周りにアイテムが落ちてますの。でも温水洋一はなにもしない。なにもしないで怪我の痛みに呻いてるだけ。何がしたいんですのこれ?もっとできることあるでしょ?脱出ゲームしたことないのかしら?

温水洋一コンテナ アイテム一覧
・財布
・ケータイ
・謎の石
・光る棒
・衣服
競艇かロトかの紙
・ペン
・常時光ってる蛍光灯

 

外からの音を頼りに何故か絵を描く温水洋一。絵?!字じゃなく絵?!ちなみに後々に「実は温水洋一は元漫画家」って設定が出ますの。お馬鹿であらせられる?それが出るまでにみんな次の映画見てますわよこれAmazonオプティマスプライムビデオなので。とにかく遅いんですの。これ最初温水洋一が目が覚めるまでに走馬灯って感じで「漫画家としての成功、結婚生活、ギャンブルに手を出す、借金をする、離婚、借金を続ける、借金取りがくるようになる」をテンポよくダイジェストっての?モンタージュての?で見せてから目を覚ましてスタートの方がいいでしょこれスピードが命ですわよこの手の映画は!

 

・割と広めのコンテナ
・船で100人以上運ばれてる
・コンテナの中にアイテムたくさん
・上下左右に人がいて助け合い可能

っていう感じでスタートするわけなんですけど。こっからダラダラダラダラと。コンテナの中からヒントが出るわけでもなく「その答えを出すための会話」が続く。

例:りんご
A「僕実は食物アレルギーがあって」
B「奇遇ですね僕もです」
A「え?本当ですか!?僕りんごダメなんです!」
B「え?!僕もです!……待って?もしかしてここに居るみんなの共通点はりんごアレルギー!?」
A「なるほど!それは盲点でした!」

 

 

・コンテナは完全なる密室で出ることは不可能
・ケータイはあるけど電波がない
温水洋一は唸ってるだけ

ということで「これ脱出映画じゃないな」「リミットでもないな」ってことはわかてくるんですの、じゃあもうこの映画への興味ないのですわ!


もうここで映画名検索してオチ見て終わります普通なら!だってこれ配信で観てますから!ていうかそうしてくださいな!わたくしがクソ映画お嬢様だから付き合ってさしあげてますのよ!


本当にこれ映画館で閉じ込められないと無理ですわよ……。全く興味ないですもの。「じゃあ温水洋一たちがなぜ閉じ込められたのかな?」で興味のモチベーション保つべきなのでしょうけど、あまりにもこの行き当たりばったりと言いますか「台本にそうかいてるから」としか言いようのない言動を見続けるの本当に苦痛。苦痛です。


これが続いてげんなりしながらついに55分後!話に動きが!


都合よく捕まってた鉱物学者「このコンテナにある謎の石が「貴重な隕石」なので、それが発見された採掘場へ向かっているのかもしれない」
答えが転がってきましたわね。

 

それで動くかと思いきやまた温水洋一のうんうん悩みタイムですわ、温水洋一ファンはたまりません、わたくしもたまりません、何故こんなもの観てるんでしょうか、劇場公開されていることを考えると尊敬いたしますわ……これを耐えたお嬢様たちを……。

 

そして温水洋一が動く……ッ

 

温水洋一「描かなきゃぁ……」


競艇?の紙の裏にマンガを描き始める温水洋一
まずは出ることを考えろボケ。
エモーショナル優先にすなボケ。
その夢おってる場合ちゃうボケ。
温水洋一はこのコンテナから出ていんですか?出たくないんですか?見ている限り出たくないのかしら?マンガ描いちゃダメです。ここは脱出するために色々行動すべきことでは?もう完全に諦めモードですわこれ。

 

もう終わってくれマジで頼むからお願い……そう思っていますとなんと隣だかのコンテナに娘が入っていることが判明、そして「父親と娘がやりがちな会話コント」を見せられるのですわ。


前後の脈略なさすぎませんこと?これ。温水洋一今まで全く出るための行動起こしてないうえにマンガ書いてたんですのよ?それで「絶対お父さんが助けてやるかなぁ!」言われましても「あ、ここはそういう台本とパートなんだな」ってなるだけですわ!「次は自暴自棄暴れパートかしら」と思っていたら案の定それが始まって笑いもおきませんことよ!

 

暴れる温水洋一。ふと謎の石を見ると光っている……
石を触るとなんと温水洋一の足の怪我が治っている……っ!
(序盤めちゃくちゃ時間かけて足痛いよぅ演技をしてくださったのです。まだこの頃はワンシチュエーション脱出スリラーだと思っていたのでここになにかヒントとなるものが埋め込まれているのでは?!と期待していたら本当にただの怪我でした)
そして頭の怪我も治っている……っ!
(転んだ拍子に後頭部を怪我した温水洋一。足でやっとること頭でもう一回する意味ってありますの?これいりますの?)
また始まる「父親と娘がやりがちな会話あるある」
長々とされてげんなりしていますと温水洋一が「くそぉんっ」とコンテナをぶん殴る
なんとコンテナが凹む
石に触れるとパワーを得られることに気が付く温水洋一……

 

 

温 水 洋 一 覚 醒 …… ッ

 

 

コンテナを拳で破壊する温水洋一。なんでしょう迷路は壁を壊せばいいとでも言うのかしら。もうなにも言いたくありません。

 

「リミット」のどこが面白かったのか、是非ともこの映画の監督と脚本のお嬢様に聞いてみたいですわ。
閉じ込められ映画でもない、トンチキ映画でもない、この映画は実験映画です。
「シチュエーションあるある」だけで構成すると前後の脈略がなくて浮き上がってしまうから、ちゃんと間に緩衝材となるべくエピソードを積み重ねないと活きないということを教えてくれる実験映画ですわ。
わたくし、またクソ映画お嬢様としてレディへの階段を登らせていただきました。

 

あと一番最初に

ダーウィンによると最も強いものが生き残るのではなく、最も賢いものが生き延びるでもない、唯一生き延びるのは、変化に適応できるものである」

と、今何かと話題のダーウィンお嬢様が出てきますけど、ちゃんと経営学者レオン・メギンソンお嬢様のお名前が出てますのでセーフです。これはレオンお嬢様の独自解釈ですものね。

 

しかし……「私は君の脳に直接語りかけている」ってマジで言う宇宙人、インターネットで知識を得たせいでマジクソファッキン口が悪うございますサイバトロン軍指令オプティマスプライムお嬢様みたいなことでいいんですの?流石にびっくりしましたわ……本当に言うのですねこのセリフ。


それではごきげんよう